セレスティカ・ジャパン1:ここが違う!EMSグローバルリーダーの技術力と顧客価値提供

セレスティカ・ジャパン Asia CI Center Advisor, Continuous Improvement  楠 憲 様に、
「生産革新プロフェッショナルコース」受講の背景やご活用についてお伺いしました。

(※以降敬称略、所属・役職は2023年1月11日時点)

ここが違う!EMSグローバルリーダーの技術力と顧客価値提供

吉田:
それではよろしくお願いします。まずは、セレスティカの事業内容を教えてください。

楠:
セレスティカは、カナダのオンタリオ州トロントに本社を置く多国籍EMS企業で、現在は世界15カ国以上30近くの拠点でEMS産業(Electronics Manufacturing Services:電子機器製造受託サービス)を展開しています。
「ハードウェア・プラットフォーム・ソリューション」をドメインに、電子機器製品の生産だけにとどまらず、高い信頼性に基づく製品設計からワールドワイドなサプライチェーンマネジメント、そして製品・システムの修理・アフターマーケットサービスに至るまで“エンドツーエンド”のものづくりサービスをグローバルにお届けしています。

吉田:
事業を展開する上で大切にされていることは何でしょうか?

楠:
EMSは、ものづくりの領域がアウトソーシングされたような業態です。
いかにお客様にとって付加価値の高いサービスやソリューションを提供できるかが我々の目指すところです。

吉田:
ずばり御社の強みは?

楠:
グローバルにEMSを展開しており、難しい技術を扱える点が強みだと考えます。ハイエンドの製品が多く、最近ではAIや5Gの技術も製品として提供しています。

吉田:
どのような企業様とお取引されているのでしょうか。

楠:
扱う範囲は非常に幅広く、通信機器、サーバー、医療機器、スマートメーター、航空宇宙産業、自動車部品など、様々な分野の製造を担っています。

吉田:
非常に幅広いですね。各分野で突出するために、技術力の向上や、業界に対するアンテナの張り方など、様々な面で挑戦されているかと思いました。

楠:
そうですね。お客様のご要望がハイエンドになればなるほど、その課題解決に応えるための技術力を常に磨いていく必要があります。
それが我々のポリシーであり、存在価値にもつながると思います。
ご存じの通り、世界の技術は様々な分野でかなりのスピードで進歩していきます。
それに対応して我々も進化し続けなければなりません。
お客様への持続的な付加価値提供が我々にとっての挑戦であり、課題であり、お客様からもご期待いただいてる点だと思います。

吉田:
楠さんのお立場・役割も教えていただけますか。

楠:
グローバル所管のアジアCI(continuous improvement:継続的改善)の役割を担っています。
全世界のお客様に対して、弊社の製品が均一かつ高品質なアウトプットの提供ができるよう、継続的に改善しつづける文化づくりや標準化推進のために、トレーニングやワークショップの支援を各サイト(工場)で行い、改善活動をワールドワイドに推進しています。

吉田:
どのように改善活動を進められているのでしょうか。

楠:
まずは問題を問題として捉えてもらう必要があります。そして現状と目指す姿のギャップを埋めていくのが我々の仕事です。
各サイトの対処がバラバラにならないように、標準化された共通言語としての「セレスティカ・ウェイ」で、資料、トレーニング方法、ワークショップの進め方を共有しながら、継続的改善活動を進めています。
エグゼクティブは「経営としての結果」、現場は「生産性向上」に焦点を当てており、両者の考えは若干異なります。
双方の間に立って橋渡し・翻訳を行ってベクトルを一致させるのが我々の役目だと考えています。

吉田:
ワークショップについても教えていただけますか?

楠:
各工場における品質やリードタイムなど経営に直結する課題に対し、「どのようなアプローチで、どのような人を参加対象とし、どのような改善・IE技術を活用しながら貢献していくのか?」、を自分たちだけで解決に取り組もうとしても難しいですよね。
そこには、専門的知識のある人材が必要になると思います。

吉田:
その通りですね。

楠:
そこで、現場が持つ課題に対して「こういう取り組みをしていくといいですよ」と発信する大きな改善の機会(ワークショップ)を設けるのです。
そうすることで、当該部門だけでなく、関連部門のメンバーも巻き込みやすくなり、必然的に必要な部署からの人材を集めやすくなります。
また、本社から我々が参画することで、少し現場に緊張感を与える効果も狙いの一つです。

吉田:
ワークショップは具体的にどのように進めるのでしょうか?

楠:
まず「現状の経営課題」からプロジェクトとなる問題・課題を抽出します。
経営層や必要なプロセスオーナー、関連部署を巻き込んでワークショップの参加者とし、それぞれの役割を自覚してもらいます。
その後、最適なチームリーダーやメンバーを決定し、問題・課題解決に必要な改善・IEのトレーニングを我々が行います。
トレーニングには、ワールドクラスで生産性の高い他社や、弊社他サイトの事例も含まれていますから、チームはそのあるべき姿を目指し、活動していくことになります。
プロジェクトの目標やスコープに関して経営層の承認をもらえたら、実際に問題・課題解決に動きます。
ワークショップとして集中的に行動した後は、改善後の維持や標準化のフォローアップをします。
水平展開(ヨコテン)も、大事な改善後の項目として位置づけられています。

吉田:
素晴らしいベンチマーク、ケーススタディが社内で可能なのですね。

楠:
各プロジェクトチームの皆さんが真因・原因を見つけ出し、それに応じて解決策を練り、実行に移してもらうのですが、この過程も我々がサポート、ファシリテートします。
プロジェクトが何本も走ることになるため、フォローアップしながら、最終的にしっかりと結果が出せるまでお手伝いするのがワークショップ全体のあり方です。

吉田:
会社としての全体最適や、技術力向上のために、あるべき組織・体制の構築を推進されていると理解しました。

楠:
そうですね、最終的にはそこを目指しています。

吉田:
楠さんは日系企業でのご経験もあると伺いましたが、グローバル企業、日系企業での違いはありますか?

楠:
日本人の強みは、「真面目で、かつ、やるべきことをきちんと遂行する姿勢」にあると思います。その点に関しては世界トップクラスの足腰の強さ(基礎能力の高さ)、マインドを持っており、日本は非常に優れた国であると感じます。例えば、5Sの「しつけ」に当たる「一度決めたことをやり遂げる」スタンスは、日本人独自の仕事観であり、実力だと思います。

吉田:
日本企業のマネジメント層からも、5Sの「しつけ」が一番難しいというご意見を多く耳にします。

楠:
そうですね、日本人と同水準のレベルを海外の方に求めるのは難しいかもしれません。日本人は、日々何かを改善しようと探し、自主的・自律的に向上させていきます。一方海外の場合は、常日頃からの自発的な行動はあまり期待できず、プロジェクトを立てて枠組みを用意し、ゴールを明示する必要があるのです。その意味では改善活動におけるやり方に、日本と世界で大きな違いがあると思います。

吉田:
海外の場合は、しっかりとこちらからメッセージを発信する必要があるのですね。

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