アルプスアルパインインタビュー|研修に参加したきっかけとは?

2018年度生産革新プロフェッショナルコース受講者 アルプスアルパイン 高谷 勉様(ものづくり研究所)に日本能率協会 松澤がインタビューしました。

研修に参加したきっかけとは?

松澤
本日は、生産革新プロフェッショナルコース2018年度受講者のアルプスアルパインの高谷さんにインタビューさせていただきます。よろしくお願いします。
それではまず、現在携わられている業務について教えてください。

高谷
昨年の9月に異動し、現在はものづくり研修所でIE関連のインストラクター、つまり社内の講師を始めたところです。

松澤
昨年の9月ということは、研修直前に異動されたのですね。

高谷
ちょうど研修直前です。研修所に異動する前に所長から今回の研修の情報をいただいて、受講することになりました。

松澤
移動に伴い、必要な知識を補てんするために、上司や同僚が勧めてくださったのですね。
現在の部署に異動される前は生産・製造の工程設計部門にいらっしゃったのですか?

高谷
この研修について自分自身は知らなかったのですが、前に受講したことがあるメンバーが異動先の部署にいて、その人の話を聞いてぜひ受けようということになりました。
ちょうど異動したタイミングで、以前のパンフレットも見て、過去の偏った知識をリフレッシュしたいと思ったのです。
直近では2009年から工程技術部という名称の部門に所属し、弊社の車載関連の製品を工程設計する部署のなかで、特に全く新しい製品の工程をつくる部署のマネージャーをやっておりました。

松澤
生産技術の業務をこれまでは担当されていて、今度は生産技術や製造担当の方々に向けて、講師として研修をしていくというお立場に変わられたのですね。

異動されてお忙しい中で研修を受講いただきました。
欠席なく、全日程ご参加いただきましたし、課題にも全て非常に真摯に取り組んでいただいてありがとうございます。研修中、大変だったことはありましたか?

高谷
色々な異業種の方と交流して情報交換できることを期待して研修に臨みました。
結果的には討議などを通じて、他の会社の考えや取組のレベル等がわかって、良かったなと思っています。受講前は、この研修についていけるかなと不安でした。

松澤
2015年度にご受講をいただいた、沼里様から大変だったというようなお話もあったのですか?

高谷
そうですね。
最後に試験があることや、発表や討議をして改善案をグループ内でまとめるという話も聞いていたので、どれだけ改善提案内容をきちんとまとめることができるか、最初は不安がありました。

やはり期待したのは異業種交流と、この研修は「生産革新」の「プロフェッショナルコース」ということなので、世の中で製造業の会社がどのようなことを、どのように取り組んでいるのか、これまではなかなか知ることが出来なかったので、そういった新たな知識を取り入れることができる、とても良い機会だと思って期待していた面もあります。

松澤
期待も不安もありながら、10月11日に来ていただいて3カ月間の研修がスタートしたのですが、実際に研修に参加していただいて「思っていたこととちょっと違うな」とか、逆に「思っていたとおりで良かったな」というようなことがもしあれば、教えてください。

高谷
情報交換という点は非常にたくさんできました。
講義とは別に、終わってから時間を取って課題をざっくばらんに出し合う機会があり、そこでグループになったメンバーと交流を深めることができたのもよかったですね。

松澤
ありがとうございます。
今年度から「自主ゼミ」のようなかたちで、有志で自分の職場の課題に思うことをディスカッションする時間をプログラム外で実施してみました。
試験的にやってみたことだったのですが、次年度もできればやりたいなと思っています。

高谷
自分の会社のことを話すとなると、企業秘密もありますので、どこまでざっくばらんに話ができるかというのが難しいところはありますが、結果的には非常に有意義でした。

松澤
研修の初期、まだ受講者の方々が互いをよく分かっていない段階でしたので、ちょっと話しづらかったかも知れないですね。

高谷
そうですね。今回研修の中で、ちょうど中間ぐらいで懇親会もあったお陰で非常にコミュニケーションが取れましたので、その後に課題ディスカッションがあれば更に良いと思います。

松澤
皆さんが課題として感じていらっしゃることは人材育成でしたね。

高谷
そうですね。他の会社がどういうことをやっているのか、どうやって人材育成などの課題に取り組んでいるのかについて、驚きをもって話しを聞くことが出来て良かったです。

松澤
ありがとうございます。来年も少し改善をして実施したいと思います。

高谷
そうですね、ぜひ。

研修全体を通しての感想や反省点は?

松澤
この研修では、6日目に模擬講義のプログラムがあります。研修終了後に自分が学んだことを自社内で展開できるように、講師の体験をするというプログラムです。
高谷さんは大変高い評価で、IEの模擬講義なども終えていただきました。講義もあり、グループ演習もありという10日間でしたが、いかがでしたか?

高谷
事前に準備をもっときちんとできれば良かったのですが、ぶっつけ本番気味でしたので、思ったとおりにはいきませんでした。
インストラクターの模擬講義のところは、ちょうど自分が過去に担当していた標準時間のところでしたので、そのテーマはやりやすかったです。

松澤
確か別の出張で私は参加できなかったのですが、後から伊藤が撮った動画を拝見して、すごくお上手だなと思いました。

高谷
過去の経験を思い出しながらやりました。

松澤
マニュアル等もお渡ししていますので、社内で講師をする際に役立てていただければと思います。
グループ演習はいかがでしたか。

高谷
画期的な改善案を含めて試行錯誤しましたが、簡単な自動機を入れて5名を2名にすることを今回は提案しようかという話になりました。

松澤
今年はこれも初の試みとして、受講者の上司の方々に最終日の報告会をオブザーブいただきました。その場で『「生産革新」なのだからもっと画期的な提案を・・』というご意見がありましたね。

研修の中で、どこまで枠を取り払って考えを巡らせてよいのかが受講者の方々にはわからず、難しかったのではないかと思います。そこは次年度への課題として、受講者の方々が取り組みやすいようにするにはどうすればよいか、しっかり講師と話をしてみます。

高谷
構成に関してですが、講義と演習の時間がありますよね。
どちらかというと講義は研修全体の前半部分に多く、演習は後半の部分でした。
講義中に、講義のポイントとなるところがあるのですが、少し経ってから実際に演習がはじまり、提案書を作成する流れでした。
講義と演習をもう少しリンクして進める、例えば戦略の考え方だったら演習のその戦略の考えを実際に討議しながらまとめてみましょう、とういう感じで進めた方が良いのではないかと思いました。忘れやすくなってしまうので。
当然テキストを見返せば良いのですが、やはり聞いて新鮮なところで、それを基に演習の討議ができると、各ステップスがつながっていきます。

松澤
活かして組み立てられますからね。

高谷
そうですね。そうすると講義の中身もより理解して覚えられる気がします。

松澤
後半は丸々1日演習というような感じになってしまっていたので、そうなると講師との接点も後半は薄くなってしまいますので、そこが来年の改善ポイントですね。

高谷
確かにそうですね。せっかくいろいろ貴重な内容を教えていただいていますからね。聞いているだけだとどうしても力が抜けてしまいますから。
演習も、講義用の単独の演習というよりは、できれば先ほど言ったように、今回の改善、提案書に結びつけるための一連の演習になれば良いですね。

トヨタの工場見学で得たこととは?

松澤
きちんとリンクしていることが大切ですね。
工場見学はいかがでしたか。

高谷
私は同じトヨタ東日本の岩手工場は見たことがあるのですが、最新の大衡(おおひら)のほうは見ていません。
弊社の中でも何回か見学ツアーを企画しています。
宮城県産業技術関係の団体との交流があり、見学会等もあったのですが、ちょっとそれは別のメンバーに行ってもらっていたので、自分では見ることが出来ていませんでした。

ちょうど今回行ける機会ができたので、見させていただいて良かったなと思っています。
やっぱり岩手工場とも違って、またさらにもっと改善されて間締めされた工程になっていました。
トヨタは前の岩手と大衡も見られましたが、トヨタ以外は意外と見る機会がありませんでした。

松澤
やはり工場を見ると、いろいろ学びがあって良いですね。
来年もこのコースの中で工場見学をしようと思っているのですけれども、こういうところを見たいなというご要望などございますか?
去年も実はトヨタの愛知県内の工場に行かせていただきました。
トヨタが続いていて、少し別のところにしてみようかと思っているところです。

高谷
例えば今回そうだったのですが、GOOD FACTORYの講演を初めて聞かせていただいて、GOOD FACTORY賞自体はずっと過去からやられていたと思うのですが、自分としては講演を聞くのは初めてでした。
ああいうすごく優秀で、改善や改革が進んでいる実際の工場というのを見られると良いですね。
トヨタももちろん進んでいるのは間違いないことなのですが、それ以外の、GOOD FACTORY賞講演会で発表されるような企業の工場も見てみたいです。

松澤
ありがとうございます。
来年度のプログラムについて企画を進めているところでしたので、参考にさせていただきます。

事前のイメージと違った嬉しい発見とは?

松澤
3カ月間ご参加をいただき無事修了されて、受講前に期待していたことや、印象と変わった点はありましたでしょうか?

高谷
この研修についての事前のイメージは違いましたね。
受講前は、IEがテーマの研修も久々でしたし、そもそも外部の研修に参加するということ自体が久しぶりでした。
認定試験もあり、非常に格調高くて高尚な研修で、本当についていけるかなというところの不安がありましたが、実際受けてみて講師の方の話も分かりやすいし、メンバーも皆さん優秀な方が集まってきていたので、とても良かったです。
堅苦しくなく、逆にざっくばらんに和気あいあいとした懇親会もあり、「あ、これだったら大丈夫かな」と思いました。

松澤
「研修、嫌だな」と思いながら、というわけではなかったのですね。良かったです。

高谷
とても面白く参加させていただけて良かったです。

松澤
もう数年担当させていただいているのですが、今年はまれに見る仲の良さで、見ていてすごく私も楽しかったなと思っています。
中心でいろいろと決めてくださるキャラクターの方がいらっしゃったおかげで、とても雰囲気が良かったですね。

高谷
先ほども、今年度の受講者の平均年齢が42歳という話がありましたが、やはりこういう研修は本当はそれぐらいの中堅の時に自分も受けることができていれば、ものづくりの考え方も更に違ったのかなという気もしますね。

松澤
ある会社は、これまで高谷さんのようにベテランの方をご派遣いただいておりましたが、やはり研修を受けてそこで得た知識を実際に業務で活かすことができるようにということで数年前から年次の若い人をご派遣いただいております。

高谷
そうですね。これからバリバリ革新をしていくクラスの人材ですからね。
やはり考え方なども、革新的なことを考えられるとしたら、私のような年齢ではなくて、もっと若い人ですね。自分はそういうメンバーを社内で育成はしていきたいと思っています。やはり外部に出てこういう研修を受けて刺激を受けるということを、プレイヤーの年代でやっていくのが本当に良いなと思うのですよね。

松澤
ベテランの方がいらっしゃるのも、場が締まるのでとても良いと思います。
長年いろんなものをご覧になってきた方のご意見だな、というふうにお見受けします。

高谷
その辺で、少しバランスが取れていれば良いですけれどね。

この研修をどんな方に受けてほしい?

松澤
3カ月間、真摯に楽しんで取り組んでいただき、非常に嬉しいです。
この研修をどういう人に勧めたいですか?

高谷
やはり生産技術や改善、これから実際に現場を改善していくというところのリーダー役だと考えています。
推進役は非常に大切なので、弊社でも研修をして、そのようなトレーナーを養成して、現場を推進していくことができる役割を持たせたいと思っています。

そういうメンバーが社内だけではなくて、こういった社外のいろんな人たちと交流しながら研修を受けられるという形が良いなと思うので、30代40代の方を中心に、まずは受けられてみることをお勧めしたいです。

松澤
この研修で学ばれたことを、高谷さんの会社で展開していっていただきたいと思います。

高谷
ぜひ活用させていただきます。私自身、頭のリフレッシュができました。ありがとうございました。

松澤
ありがとうございました。

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